出発
アルバムを一冊アップ。アルバムといっても八枚しかない。タイトルは「出発」。愛と青春の旅立ちみたいなタイトルだが、バックパッカーを狙って撮った何でもないスナップである。その時期、仕事が立て込んでいたにもかかわらず、放浪癖がむくむくと頭をもたげ、しかし何処へも行けないフラストレーションがこんな写真を撮らせたように思う。旅ばかりしてきたくせに、旅立つ人がうらやましい。ただそれだけの写真である。
「写真はなにものでもない。私が興味を覚えるのは人生だ」と言ったのは、確かアンリ・カルティエ=ブレッソンだったか。「人生」というのは大げさだが、それを「人間」に置き換えるなら私も同感だ。写真はなにものでもない。絵画もなにものでもない。文学もなにものでもない。表現はなにものでもない。「創る」という字は気負い過ぎている。「作る」や「造る」で充分だろう。人為とはそんなものだ。
それにしても今回のアルバムは、いままでに増して退屈な写真たちである。私自身が退屈していたのだろう。
退屈はモノを作る糧である(私の場合)。芸術は爆発ではなく、退屈である。有っても無くてもよい代物だ。ひと切れのパンや一杯の水にも劣るその虚しさをよりはっきり噛みしめるために何かを作る。無為の確認。そんな感じだな。そうやって我が身の無益さを知るのは良いことだ。
ある人々と他の人々
フォト集 Les Uns ET Les Autres vol.02 をアップ。リニュオープン二日目にしてさっそくの更新とは我ながら見上げたものである。いまのところ。
ちなみにこのタイトル、クロード・ルルーシュの映画『愛と悲しみのボレロ』の原題として知られている。実にいい映画なんだが、邦題はひどいもんだ。直訳すれば「ある人たち、他の人たち」で、要するに「人それぞれ」といったクールなニュアンスなのに、邦題では何とも暑苦しくてベタベタだ。愛とナントカのナントカは苦手だいう人がいたらこの映画にかぎってはベタな愛もベタな悲しみもないのでお薦めである。
話は戻り、愛と悲しみの更新報告の続きを。
どうやら私は風景よりも人物写真が好きらしく、今回アップしたようなたぐいなら木箱(ワインの箱)三箱分ほどある。通りすがりの人なら撮影後に肖像権の許諾を得、友人の場合なら肖像権なんぞ黙殺している。
人間は面白い。まさに「人それぞれ」で、いろんな人種、いろんな職種があり、スカしていたり、アホやっていたり、カメラを意識しない人もいれば、過剰に反応する人もいて、何かしらのコミュニケーション(ディスコミュミケーションも含めて)が撮る側と撮られる側に起こる。
風景写真になるとその被写体はどっしりかまえた大自然だったり建物だったりするわけで、四季折々、天候折々の千変万化はあるものの、撮り手を意識して変化するなんてことはない。人と自然を分かつどうしようもない断絶感も嫌いじゃないが、含み笑いしたくなるような面白さから言えば、やはり天為よりも人為だろう。とはいえ建物は人為だから人間っぽい面白みがあるな。
カタチ・コム ゆるりと始動
本宅のリニューアル作業にも飽きてきたので、とりあえずのリ・オープンです。アップしたアルバムは6ヶ。ジクソーパズルが3ヶ。ジグソーパズルは簡単になんぼでも増やせるんだけど、アルバムのほうはスキャンが面倒で面倒で…。
スライドするアーカイヴ・インデックスにスペースをたくさん作り過ぎ、それを埋めなきゃいけない強迫観念に疲れ果ててしまったというか。まあぼちぼちとコンテンツを増やしていきます。
本宅の暫定版ブログの消滅にともない、このカタチ・ノートを新設。ごらんのとおりコメントもトラックバックもオフにしてあり、ブログとは名ばかりで、多機能な日記帳のようなもの。ネットコミュニケーションは嫌いじゃないんだけど、ついついそれにウツツを抜かして本宅をなおざりにした痛い過去があるので、言わば自主規制です。
友人とのリレー式エッセイ、Speakslylyのログだけこっちに移植しました。それとイベントの記事も少し。旧本宅がNucleusだったので、ロリポブログにデータを移植することができず、手作業で持ってきた次第です。頂戴したコメントやトラバのデータを移植できなかったのは残念だけど。
そんなわけで、またしても改装しながらのオープンみたいですが、一応、見てくれだけ新しくなったカタチ・コムを今後ともよろしくです。理想の恋人
リレー式エントリ企画スピイクスリリイの第5弾は、もそさんからのお題で『理想の恋人』である。
参ったなぁ。またしても難解で赤裸々なテーマである。かなり長く人間をやってきたつもりだが、幼少期から老体の現在に至るまで、私のボキャブラリに『理想の恋人』というフレーズは存在しなかった。お題を頂戴して生まれて初めて考えてみたものの、さっぱり何も思い浮かばない。さて、どうするか。
Anti-couple 2006
またしても長きご無沙汰で、年も変わってすでに二月。「旧正月おめでとう」と言うのも遅きに逸し、来週は早くも聖ヴァレンタイン・デイがやってくる。
久しぶりのエントリでちゃっかり広報させてもらうのも恐縮だけど、恋人の日なれば、今年も恒例の『アンチ・カップル』芝居の幕開けです。今回のテーマは「じゅん」。順・純・巡などのキーワードでお届けする三作のプチ芝居オムニバス。プラスアルファ、チョコ風味のショートアニメーション付き。
役者は劇団グレコローマンスタイルの岡本ヒロミツ、フリーの北川宏美、美吉家歌舞伎役者の上村純弥。アニメーションは漫画家の瀬井啓介。脚本は詩人の平岡陽介、ソネス座の黒木かおり、わたくし玉川祐治というメンツ。