先のエントリでお知らせした怪しげなテキスト企画が廻り巡ってやってきた。記念すべき第1回のテーマの出案者である我楽さん、2番手のもそさん、3番手のCHEEBOWさん、4番手の陽子さん、皆さんお疲れさま。
そして5番手であるワタクシ、しかもお題は「私が腹黒い理由」という、近頃まったく日焼けしてない腹白い我が身には何とも日焼けサロンなテーマなのだが、ぐだぐだ言わずにともかく行ってみよう。

speakslyly 腹黒い。濁らずに「ハラクロイ」と読んでほしい。グロイはグロさを連想させるが、クロイと清音で読むと、アオイ、シロイと同じようにニュートラルに聴こえてくる。

「無月」という季語がある。月が見えない曇夜のことだ。月がないのではなく、無月という月が心象に浮かんでいる。そういうことであるらしい。夏目漱石がワーズワースの「スターレス・ナイト」を「星くろき夜」と訳しているけど、これもまた俳諧精神から生まれた日本語ならではの訳だろう。
見えないが存在する。曇夜の月や星だけでなく、腹=心もまた見えにくいけども確かに存在するものだ。見えにくいから躍起になって伝えようとする人もいれば、人の心は伺い知れぬと諦めている人もいる。しかし、見えにくいからこそ人の世は面白く、あえて見えにくいままで良しとする人もいる。そういう人こそ、敬意を込めて「腹くろき人」と呼んで讃えたい。

そんなわけで私はもう久しく、ハラクロイという言葉を、好意や信頼を抱く相手を称えるための形容詞として使っている。
腹くろき心は量りがたい。そういう人は他人に自分の心を知ってほしいというつまらぬ渇望もない。かといって反社会的でもない。ごく普通に人の世の付き合いや常識やお約束を守り、無月という名の月のように、ただ静かに曇天のベールに隠れているだけだ。嗚呼なんと奥ゆかしくてダンディなのか。ジーク・ハラクロ♪

どんな言葉であれ、その意味合いには常にジェネラルとローカルとプライベートとミステーク(?)が付きまとう。ジェネラルな面だけで言葉を捉えてもつまらない。
ちなみにハラクロイという美しい言葉に熱いオマージュをささげる私の腹は、日焼けしてないのはもちろん、中身だって黒くない(と言っておく)

ということで、6番手のlomoさんにハイタッチ。

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