出発
Category : 本宅の更新情報
Posted : 2006/03/20
アルバムを一冊アップ。アルバムといっても八枚しかない。タイトルは「出発」。愛と青春の旅立ちみたいなタイトルだが、バックパッカーを狙って撮った何でもないスナップである。その時期、仕事が立て込んでいたにもかかわらず、放浪癖がむくむくと頭をもたげ、しかし何処へも行けないフラストレーションがこんな写真を撮らせたように思う。旅ばかりしてきたくせに、旅立つ人がうらやましい。ただそれだけの写真である。
「写真はなにものでもない。私が興味を覚えるのは人生だ」と言ったのは、確かアンリ・カルティエ=ブレッソンだったか。「人生」というのは大げさだが、それを「人間」に置き換えるなら私も同感だ。写真はなにものでもない。絵画もなにものでもない。文学もなにものでもない。表現はなにものでもない。「創る」という字は気負い過ぎている。「作る」や「造る」で充分だろう。人為とはそんなものだ。
それにしても今回のアルバムは、いままでに増して退屈な写真たちである。私自身が退屈していたのだろう。
退屈はモノを作る糧である(私の場合)。芸術は爆発ではなく、退屈である。有っても無くてもよい代物だ。ひと切れのパンや一杯の水にも劣るその虚しさをよりはっきり噛みしめるために何かを作る。無為の確認。そんな感じだな。そうやって我が身の無益さを知るのは良いことだ。
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